株式会社東北保険グループのコンテンツページ

  • 火災

コラムタイトル

いまの火災保険で「自然災害」への備えは十分?保険を定期的に見直すべき理由も解説

リード

なんとなく住宅取得時に火災保険に加入したものの、どのような補償内容かを記憶している人は少ないのが現状です。自然災害による被害を伝えるニュースを見ても、どこか他人ごとと捉えがちです。

自然災害はいつ、どこで起きても不思議ではありません。火災だけでなく、自然災害にも備えることのできる「火災保険」をいま一度見直し、備えておくことが必要です。いざという時に後悔しないためにも、現在加入中の保険を把握することから始めましょう。

    • 火災
コラムサマリ

★この記事は約5分で読めます。

  • 現代の火災保険は火災だけでなく、さまざまな災害を補償範囲としている
  • 古い火災保険は「住宅火災保険」の場合があり、水災などは対象外の場合がある
  • 適切な保険金額は時間とともに変わるため、火災保険は定期的な見直しが必要

※ご契約にあたっては、必ず「重要事項説明書」をよくお読みください。ご不明な点等がある場合には、お問い合せください。
※取り扱い保険会社及び保険商品について、ご不明な点等がある場合には、お問い合せください。
※文中に記載の保険商品、サービスの名称及び内容は保険会社によって異なる場合がございます。

本文

増える自然災害による住宅被害

ここ数年、ゲリラ豪雨と呼ばれる短時間での激しい降雨の発生件数は増加傾向にあり、局地化・集中化・激甚化により、大規模な水害や土砂災害が頻発しています。国土交通省の発表によれば、令和元年度の水害被害額(確報値)は、全国で約2兆1,800億円と統計開始以来最大となり、また、水害被害により被災した建物は約99,000棟にのぼります。

こうした被害に対して、修理や元通りの生活に戻るための費用を補償してくれるのが「保険」です。

もしものために備える保険だからこそ、「その時」に使える補償でなくては意味がないと言えます。

一般的な火災保険は、火災の場合に加えて、風災・雹災(ひょうさい)・雪災、さらに水災による損害を補償することができます。水災には、ゲリラ豪雨や台風などによる洪水、床上浸水、土砂災害などが含まれます。

 

住宅取得時に加入した火災保険は、どんな保険?

一般的に、住宅取得時には、火災保険に加入する必要があります。ただ、住宅取得時には保険以外にも様々な契約を結ぶ必要があるため、火災保険については十分に比較できないまま加入している方も少なくないようです。

2015年10月までは、火災保険は最長36年の長期契約が可能でした。現在では10年が限度ですが、住宅ローンにあわせて35年の火災保険に加入していた人は多いでしょう。それもあって、住宅取得以降は火災保険の補償内容を確認したことがない方もいるのではないでしょうか。

近年の自然災害への意識の高まりから、火災保険は、火災だけではなく、自然災害による被害にも備えられる補償内容を選ぶ人が増加している傾向があります。

補償内容を憶えていない、よく理解できていないという方は、この機会にご自身が加入している保険の補償範囲を確認してみることをおすすめします。

 

マンションでも検討したい「水災」への備え

加入中の火災保険を最近更新した場合であっても、具体的に補償内容について再度確認しておきたいものです。これまでは高台やマンションなどであれば、水災(水害に対する補償)は不要と捉えるケースが多かったようです。たしかに、床上浸水などのリスクは考えにくく、保険料負担を抑えるためにも水災を補償範囲に含めないケースも散見されました。

しかしながら、近年の被害状況をみると、ゲリラ豪雨など突然の水量増加で行き場を失った水があふれる、流れ出すなどの被害が多発し、マンションでもベランダの排水が間に合わず、室内に入り込むといったケースもあり水災の付帯を検討する余地は十分にあります。

 

保険金額は十分ではない可能性もあるので注意!

補償範囲と合わせて、建物や家財の適正な評価額についても確認しておきたいところです。過大な保険金額を設定していても保険金支払い時には相当の保険金しか支払われないため、保険料の一部が無駄となりますし、過少な場合は十分な補償が受けられません。

保険金額は建物が全損したとして再築する場合の価格「再取得価額」で設定することが多いですが、ここで重要なのが保険金額は定期的に見直す必要があるということです。

例えば、20年前に3,000万円で住宅を取得し、保険金額を3,000万円で設定したとしましょう。 20年が経過した現在、物価が上がっていて再築には3,000万円以上かかる可能性も考えられますし、再築費用が2,000万円に下がっている可能性も考えられます。

前者の場合は、十分な補償が受けられなくなり、被災後に以前と同等の生活ができなくなるリスクがあります。後者の場合は、支払われる保険金は2,000万円までであるため、超えた分の保険金額に対する保険料が無駄になっていたことになります。

このように再取得価額は時間の経緯で変化するため、火災保険は定期的に見直す必要があるのです。

 

リスクの高まりと保険の進化

時代とともに想定されるリスクは変化していますが、同時に保険も進化しています。定期的に内容を確認することで、もしもの時に備えたいものです。火災保険は、自宅が火事になった場合の補償だけではありません。火災が発生するリスクよりも、自然災害のリスクが高まっている現在だからこそ、今一度、加入中の火災保険を確認してみましょう。

よくわからない場合は、保険会社の窓口など専門家への相談が有効です。災害が起こらないことが何よりですが、災害に遭ったときに被災後も安心して暮らせるように対策しておくことは大切です。

この記事の執筆協力

執筆者名

大竹麻佐子

執筆者プロフィール

証券会社、銀行、保険会社など金融機関での勤務を経て独立。相談・執筆・講師活動を展開。ひとりでも多くの人に、お金と向き合うことで、より豊かに自分らしく生きてほしい。ファイナンシャルプランナー(CFP©)ほか、相続診断士、整理収納アドバイザーとして、知識だけでない、さまざまな観点からのアドバイスとサポートが好評。2児の母

募集文書管理番号
0216-29A1-B21149-202202

関連コラム

  • 火災

    地震保険に家財補償は必要? その特徴と独自の補償額も確認

    地震大国と言われる日本では、マイホームの地震保険加入は欠かせません。この地震保険は建物だけでなく、家財にも契約することができますが、その補償額は、火災保険とは異なり、実際の損害額の全額を補償するものではありません。そこで、気になる地震保険の家財補償の特徴と、その補償割合の算定について確認してみましょう。大切なマイホームを守るための保険ですので、きちんと理解して加入を検討しましょう。

  • 火災

    マイホームの火災保険で悩む「家財補償」。300万円で足りる?いくらかければいいの?

    マイホームの万一に備える火災保険は、対象を「建物」と建物内にある「家財」に分けて補償を考えます。「建物」については当然に契約するものの、「家財」については補償額をどうするか、そもそも契約すべきかについて悩むケースがあるかと思います。「家財」の補償範囲や補償金額の設定について、結婚や出産で家族が増えたときを想定し、安心できる補償の考え方を解説します。また、よく言われる300万円の補償金額設定の真偽についても検証してみましょう。